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2020.01.24 | Bespoke

ビスポーク作業工程 その5 パルテンツァ大阪

ビスポーク作業工程 その5 パルテンツァ大阪のアイキャッチ画像

こんにちは。

パルテンツァ大阪の岩元でございます。

 

本日はしばらく更新していなかったビスポークの作業工程紹介の第5回です。

集中して縫っているといつも写真を撮り忘れる為、中々更新が出来ていませんでした…

 

その4まででは中縫いの状態までをご紹介しました。

今回は中縫いのフィッティングが終わった後、最終的な補正を入れ完成に向けての作業をご紹介します。

 

 

まずは身頃と身返しを一体化させる為に、前端をまつっていきます。

工場縫製やテーラーでも普通は中表にパーツを合わせてミシンでぐるりと縫い合わしていると思います。

私はひたすらここは手縫いでちくちくやっています。

生地がぴりつかないように、且つゆるゆるだと隙間が出来てしまうので、ほどほどの糸の引き加減でと気を遣います。

特に夏物の薄手の生地の時は非常に難しいです。

 

 

 

次は縫い代の処理です。

縫い代は全てまつり縫い、もしくは千鳥がけでひたすら止めていきます。

 

 

ベント側は伸び止めのテープも据え、そこに縫い代を千鳥がけで固定します。

 

 

細かなまとめが終わると次は前身に裏地を合体させます。

スーツを作ったことのある方ですとお分かりになるかと思いますが、ミシンで縫製する場合、多くは先に身返しに裏地を

縫い合わせた後、身頃と身返しを合体させますが、私は裏地を後から乗せて手縫いで固定します。

よく雑誌等で台場付きのスーツは裏地が傷んだ際の交換が簡単に行えると書いてありますが、

手縫いで後から乗せるほうがはるかに裏地の交換は簡単に行えます。(お直しのプロなら簡単なのかもしれませんが私はやったことがないので…)

 

 

そして内ポケットの部分の裏地を切り込みます。

 

 

はい、出来ました。

裏地の交換が容易に行えるという意味が伝わりましたでしょうか。

手縫いでの裏地の止め方は私は星で止めていますが、裏地の端をまつって止めるやり方もありますね。

台場を作ってはいますが、極力台場が細く見えるように玉縁ぎりぎりまで裏地がくるようにしています。

 

 

3枚前の写真で肩の部分を見て違和感を感じた方はおられるでしょうか?

こちらはパルテンツァのパターンオーダーのスーツの裏側です。

大半のジャケットは肩の動きに合わせて裏地が開くようにヒダが折りたたんであると認識しています。

これはこれで着心地を良くする効果はもちろんあると思いますが私は横向きにはヒダを作りません。

 

裏地の袖側は縫って固定されているので肩先は裏地が動かないなと考えまして…

かつ胸の部分は裏地がフラットになるので、少しでも裏地も胸のボリュームを殺さないようにしたいなと。

 

 

ではどうするかと言いますと私は縦にプリーツを作ります。

プリーツの下端はプリーツの効果で膨らみます。これを少しでも胸のボリュームにと考えています。

正直横向き、縦向きで大きな着心地の変化は私自身感じられないのでこのやり方で今は作っています。

大身返しにする際などはヒダが無い場合もあります。

前肩の作りこみに関しては芯と前身の一手間二手間が大事ではないかと。

 

前身が完成したら次は後身頃です。

前身ほどの工程は無いですが、一応書いておきます。

後身頃の最終的なクセ取り、伸び止め据え、衿ミツの伸び止めなどを行い、脇入れを行います。

 

 

いつものごとく写真を撮り忘れてしまいましたが脇が縫い終わったら、前身の脇側の地の目をキープさせた状態で、

後身頃の脇側をクセ取りします。

これをすることにより、背中のくびれが美しくなります。

 

その後、後身にも裏地を合体させます。

これまた裏地の脇側を中表で縫ってひっくり返すやり方ではなく、乗せてまつっていきます。

 

 

裏地をまつり終わったら次は肩入れです。(肩線を縫い合わす)

はい、またまた写真撮り忘れました…

肩線は以前は中表に合わせて返し縫いで縫い合わせていたのですが、少し前からまつって合体させるようにしました。

私自身の所感ですが、そのほうがイセが入れやすいのと前身の肩線が伸びにくいなと。

前身の肩線には伸び止めをしていないので、返し縫いよりまつり縫いのほうがやりやすかった為採用しました。

 

続いて肩入れ後は上衿を作っていきます。

写真は上衿に増し芯を据え、表地をかぶせた後です。

上衿のこだわりとして上衿の外側に横の地の目を通しています。

そのあたりは長くなるのでまた別の機会に書こうかと思います。

 

 

上衿は一枚衿でしっかりとクセ取り、衿を殺す処理をします。

殺すって物騒な言い方ですが、なぜか殺すって言うんですよね。

 

 

上衿が完成したら首の後ろ部分に裏地を固定します。

これもまつって止めていきます。

裏地の肩線部分にグシを入れています。

表地の後身頃肩線部分でイセが入っているのに連動させる目的です。

写真ではシワシワですが、後ほどアイロンで綺麗に整えます。

 

 

 

ここまで来たら次は袖付けです。

本日はここまでにしておきます。

 

少々私の考えも交えながら書きましたが、モノ創りは職人それぞれ本当に千差万別の考え方や作り方があります。

今私が良いと思ってやっている作り方も1年後には変えているかもしれません。

いや、次の服では変わっているかもしれません。

 

話がそれますが、先日とある方と食事をしていたさいに聞かれました。

 

「服作ってて楽しいですか?」

 

と。

即答で

 

「楽しいです」

 

とお答えしました。

 

服を作っていると目は疲れるし体も疲れますが、完成した時の喜びやお客様にお渡ししてお喜びいただけた際の

感動や喜びは何物にも代えがたいです。

感動や喜びはビスポークに限らずパターンオーダーの出来上がり品をお渡しする際も同じです。

私はこの仕事を天職だとも思っています。

恐らく死ぬまでこの仕事を続けていることでしょう。

 

最後は話がそれるしいつものごとく長いブログになってしまいましたが、本日もご覧頂きありがとうございました。

その6に続きます。

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