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2020.07.20 | Bespoke

穴かがり サローネパルテンツァ 大阪

穴かがり サローネパルテンツァ 大阪のアイキャッチ画像

ボタンホールの穴かがりをじっくりとご覧になられたことはありますでしょうか。
工場だと穴をかがるのにかかる時間は1か所につき数十秒で完了します。
穴かがりのミシンを使用するのにも、糸の選別や畝の太さの調整などが必須です。
店頭には穴かがり用のミシンは無いので私の作るビスポークは基本的に全ての穴が
手縫いです。
本日はその手縫いで穴をかがる工程をご紹介いたします。
 
まずは使用している糸。
私はタイヤ―の穴糸を使用しています。
金ひどりや折り鶴等別のメーカーのものもありますが、色々試してみて
大きな差は感じなかった為、タイヤ―のものを使用しております。

では糸の準備から。

穴糸は3本撚りになっています。

 

その内の1本を抜いて2本撚りにします。
生地によってこの1本抜くか抜かないかを決めています。

 

そして穴の芯になる3本撚りのままの糸と、2本撚りにした穴かがり用の糸を
用意します。
太さの違いがおわかり頂けますでしょうか。準備した糸に蝋を引きます。
芯糸は以前はドイツのギッタ-マンの芯糸を使用したりもしていましたが、現在は
同じ穴糸を使用しています。

 

穴をかがる下準備。
かがっている最中に生地がほつれてこないようにミシンをかけ、
鳩目にする為に穴を開け、涙目に切り揃えます。
今回はミシンでほつれ止めをしていますが、柔らかく仕上げたい時は
ミシンではなく、手縫いでからげてから穴かがりをスタートすることもあります。

 

続いて芯糸を2本取りで穴の周りを囲みます。

 

2本撚りにした糸で穴かがりスタートです。

 

穴をかがる際は糸を引く方向、力加減がとても重要で、且つ畝の向きやピッチを
揃えてかがっていかないと仕上がりが悪くなります。
Uターンして終わりまで来たら閂を入れます。
昔の職人さんは往復の糸の目の数を合わせていたとか。
畝の数を合わせるのは中々難しいでしょうが、そのくらい丁寧にかがりなさいという
親方から弟子への口伝なのではないかと思います。

 

裏側の終点部分にも閂を入れたら、糸がほつれないように処理をしたら完成です。
裏側も綺麗になるよう心がけることも大事です。

 

出来上がりがこちら。
少し歪んだかな…

 

穴かがりは写真よりも動画のほうが解説がしやすいのですが、それはSNSで
ご紹介させていただこうかと思いますが興味あります?笑
 
見た目や触った際の感触の違いはミシンでかがったものと差があるかもしれませんが、
穴かがりは正直着心地には直結はしません。
ですが、こだわりのひとつとして「わかる人にはわかる」ディテールではあると思います。
私が仕立てた服を、もし100年後200年後の職人がバラしてじっくりと見られたとしても
恥ずかしくない仕立てをするよう心がけています。
木を見て森を見ずではダメで、森を見て木を見ずでもダメで、全体の統一感や
バランスが整って初めて良い作品が出来ると考えています。
 
わかる人にはわかる
 
そんな嗜みを身につけていきたいものです。

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